司法書士活動日誌 あいおいくんがゆく!
2019年10月03日 [福井 圭介の活動日誌]
【皆さんの疑問に答えます!】遺言05 「複数の遺言書が出てきた」
本ページをご覧のみなさま
司法書士の福井です。
お客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
<過去の掲載記事: あわせてご参考になさってくださいね>
▷ NO.1 「遺言の有無を確認する方法は?」
▷ NO.2「遺言書は簡単に開封していいの?」」
▷NO.3「自筆証書遺言の一部はパソコンでも作成できる」
▷NO.4「読めない遺言書は、どうすればいいいの?」
今回は「遺言 NO.5複数の遺言書が出てきた」 についてです。
複数の遺言書が見つかることは、決して珍しいことではありません。「遺言書は1通しか作成してはいけない」という決まりはありませんから、何度も書き直しをしたり、下書きをそのまま手元に残しておいたりしても構いません。ただ、何通も遺言書が出てきた場合、残された親族は「どれが有効な遺言書なのか?」と困惑するにちがいありませんね。
こんなケースに遭遇した場合は、複数ある遺言書の日付に注目してください。
法律では、「前の遺言書と内容が抵触する場合にはその部分は最後に作成された遺言書、つまり、最新日付の遺言書が有効である」ということになります。異なる時期に書かれた遺言書Aと遺言書Bの内容が、大きく異なるようなこともあるでしょう。その場合は内容が抵触しない限り双方の遺言書が有効となり、内容が抵触する場合には日付の新しい遺言書が有効ということになります。
では、すべての遺言書に日付が記載されていなかったり、押印がなかったりする場合は、どんな判断をすればいいのでしょうか。そんなときは、すべての遺言書は無効となります。遺言書には必ず、「日付と押印が必要」だからです。
自筆証書遺言と公正証書遺言が出てきたら?
最新日付の自筆証書遺言と古い日付の公正証書遺言が出てきたとします。公正証書遺言は公証人という専門家が作成し、原本が公証役場で保管されるもの。そのため、「日付が古くても、公正証書遺言のほうが有効」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、いくら公正証書遺言が専門家の手で作成され、公証役場で保管されるからといっても、「自筆遺言証書に優先する」という決まりはありません。したがって、この場合も、やはり内容が抵触しない限りは双方とも有効であり、内容が抵触する場合には最新日付になっている自筆証書遺言が有効ということになります。ただし、自筆遺言証書が正しい書き方になっており、法的に有効であることが前提となります。
司法書士の福井です。
お客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
<過去の掲載記事: あわせてご参考になさってくださいね>
▷ NO.1 「遺言の有無を確認する方法は?」
▷ NO.2「遺言書は簡単に開封していいの?」」
▷NO.3「自筆証書遺言の一部はパソコンでも作成できる」
▷NO.4「読めない遺言書は、どうすればいいいの?」
今回は「遺言 NO.5複数の遺言書が出てきた」 についてです。
複数の遺言書が見つかることは、決して珍しいことではありません。「遺言書は1通しか作成してはいけない」という決まりはありませんから、何度も書き直しをしたり、下書きをそのまま手元に残しておいたりしても構いません。ただ、何通も遺言書が出てきた場合、残された親族は「どれが有効な遺言書なのか?」と困惑するにちがいありませんね。
こんなケースに遭遇した場合は、複数ある遺言書の日付に注目してください。
法律では、「前の遺言書と内容が抵触する場合にはその部分は最後に作成された遺言書、つまり、最新日付の遺言書が有効である」ということになります。異なる時期に書かれた遺言書Aと遺言書Bの内容が、大きく異なるようなこともあるでしょう。その場合は内容が抵触しない限り双方の遺言書が有効となり、内容が抵触する場合には日付の新しい遺言書が有効ということになります。
では、すべての遺言書に日付が記載されていなかったり、押印がなかったりする場合は、どんな判断をすればいいのでしょうか。そんなときは、すべての遺言書は無効となります。遺言書には必ず、「日付と押印が必要」だからです。
自筆証書遺言と公正証書遺言が出てきたら?
最新日付の自筆証書遺言と古い日付の公正証書遺言が出てきたとします。公正証書遺言は公証人という専門家が作成し、原本が公証役場で保管されるもの。そのため、「日付が古くても、公正証書遺言のほうが有効」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、いくら公正証書遺言が専門家の手で作成され、公証役場で保管されるからといっても、「自筆遺言証書に優先する」という決まりはありません。したがって、この場合も、やはり内容が抵触しない限りは双方とも有効であり、内容が抵触する場合には最新日付になっている自筆証書遺言が有効ということになります。ただし、自筆遺言証書が正しい書き方になっており、法的に有効であることが前提となります。