成年後見・任意後見のよくある質問
お客様からお寄せいただくよくある質問を集めてみました。
成年後見・任意後見に関するお悩みや質問がございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。
成年後見・任意後見に関するお悩みや質問がございましたら、当事務所までお気軽にご相談ください。
重度の身体障害があり、これからの生活が不安です。法定後見を利用できますか?
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重度の身体障害だけでは利用できません。 認知症、知的障害、精神障害、高次脳機能障害などで判断能力が低下している人が対象です。 また単なる浪費が酷いなど生活上の問題だけでは対象になりません。 先々の生活や健康に不安がある方は、任意後見制度の利用をお勧めします。お元気なうちに将来に向けて必要な支援が何かどこまで誰に依頼したいのかを考え、契約を結んでいざという時に備えるのが任意後見制度です。 |
法定後見の申立てができる人は誰ですか?
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申立ては誰でもできるわけではありません。本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長などに限られています。友人や知人は申立ができません。身寄りがない場合は市町村長が申立人となります。 四親等内の親族とは 親、祖父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、甥、姪、おじ、おば、いとこ、兄弟姉妹の配偶者、甥姪の配偶者、おじ・おばの配偶者 |
後見人(保佐人・補助人)等になれる人は誰ですか?
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本人の親族、市民後見人、法律や福祉の専門家(弁護士、司法書士、社会福祉士等)、法人(社会福祉法人、NPO法人等) 等です。
親族のかたが後見人に就任したいと希望しても、家庭裁判所の判断にもよりますが、下記のような人は後見人に選ばれるのが難しいです。 ♦親族が後見人の就任を希望しても、専門家が選ばれてしまう可能性がある例 (東京家庭裁判所ホームページより) (1) 親族間に意見の対立がある場合 (2) 流動資産の額や種類が多い場合 (3) 不動産の売買が予定されているなど、申立ての動機となった課題が重要な法律行為を含んでいる場合 (4) 遺産分割協議など後見人等と本人との間で利益相反する行為について、監督人に本人の代理をしてもらう必要がある場合 (5) 後見人等候補者と本人との間に高額な貸借や立替金があり、その清算の可否等について第三者による調査、確認を要すると判断された場合 (6) 従前、後見人等候補者と本人との関係が疎遠であった場合 (7) 年間の収入額及び支出額が過大であったり,年によって収支に大きな変動が見込まれたりなど、第三者による収支の管理を要すると判断された場合 (8) 後見人等候補者と本人との生活費等が十分に分離されていない場合 (9) 申立時に提出された財産目録や収支状況報告書の記載が十分でないなどから、後見人等としての適格性を見極める必要があると判断された場合 (10) 後見人等候補者が後見事務に自信がなかったり、相談できる者を希望したりした場合 (11) 後見人等候補者が自己もしくは自己の親族のために本人の財産を利用(担保提供を含む)し、または利用する予定がある場合 (12) 後見人等候補者が、本人の財産の運用(投資等)を目的として申し立てている場合 (13) 後見人等候補者が健康上の問題や多忙などで適正な後見等の事務を行えない、または行うことが難しいと判断された場合 (14) 本人について、訴訟・調停・債務整理等の法的手続を予定している場合 (15) 本人の財産状況が不明確であり、専門職による調査を要すると判断された場合 |
申立人である親族としては、本人のことをよくわかる親族に後見人等になってほしいと考えていますが、希望どおりになりますか?
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必ずしも希望が通るとは限りません。法定後見においては、家庭裁判所が本人の財産の内容や生活の状況に応じてふさわしい人を選任します。親族が候補者として申し出ることはできても、必ずしも選任されるという保証はありません。本人の親族がなる場合もあれば、弁護士、司法書士、社会福祉士、税理士などの専門家を裁判所が選ぶ場合もあります。裁判所が選任した結果について納得いかなかった場合でも、不服申立ての規定はありません。
<参考> 選任された後見人等の状況(令和4年1月〜12月) 下記のグラフのとおり親族以外の第三者(80.9%)が選任されることが多くなっています。 出典:最高裁判所「成年後見関係事件の概況」(令和4年1月〜12月)をもとに当事務所作成 ■専門職が後見人になることのメリット ◆弁護士 【事案の目安】 ・紛争性あり ・資産が大規模 ・事案が複雑 【後見申立】 申立ての代理ができる ◆司法書士(当事務所の場合) 【事案の目安】 ・紛争性がない、当事者間の調整が必要 ・不動産の登記や売却などが必要 ・相続手続きが必要 ・借金トラブルへの対応が必要など ・資産が中程度 【後見申立】 申立ての代理はできないが、申立書の作成は できる ◆行政書士 【事案の目安】 ・社会福祉士が担当するよりも法律家のほうが適切な場合 ・資産が小程度 【後見申立】 申立の代理も申立書の作成もできない ◆社会福祉士 【事案の目安】 ・福祉の観点で長期にわたり身上看護を行う必要がある場合 ・資産が小程度 【後見申立】 申立の代理も申立書の作成もできない |
どのようなきっかけで法定後見を利用する人が多いのでしょうか?
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下記の図に示したとおり最高裁判所の最新データによると、「預貯金等の管理・解約」、「身上監護」が多くなっています。
親族の都合ではなく、判断能力の低下してしまった本人の権利や財産を守り日常生活を支えるための制度であることを理解したうえで利用しましょう。 <参考> 申立ての動機(令和4年1月〜12月) 出典:最高裁判所「成年後見関係事件の概況」(令和4年1月〜12月)をもとに当事務所作成 |
後見人等ができること、できないことは何ですか?
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後見人等が行う業務は「財産管理」と「身上監護」です。 それぞれの項目でできること、できないことは以下のことです。 ■財産管理 【後見人等ができる主なこと】 ・預金通帳、印鑑の管理 ・公共料金や税金、施設費用等の支払い ・不動産の管理や処分 ・遺産分割 ・本人が不利益な契約を結んでしまった場合の取消権の行使 【後見人等ができない主なこと】 ・積極的な財産運用管理(贈与や投資) ・本来は親族が支払うべき費用の立替や支払いなど本人の利益にならない支出 ・本人の利益にならない債務保証、財産放棄 ・日用品の購入など日常生活に関する行為に対する同意権・取消権の行使 ■身上監護 【後見人等ができる主なこと】 ・日常生活の見守り ・入院時や福祉施設入所時の契約の締結、費用の支払い ・介護保険や障害者総合支援法の利用契約、サービス内容の確認、利用料の支払い 【後見人等ができない主なこと】 ・掃除洗濯、身体介助など直接的なケア ※ケアマネジャーを通じてサービスを手配 ・医療行為への同意(輸血、放射線治療、手術、投薬、胃瘻などの延命治療など副作用や予後によっては生命に危険を及ぼす可能性のある検査や治療行為) ・入院や施設入所時の連帯保証人 ・遺言、養子縁組、認知、結婚、離婚などの行為 |
親族が後見人等になった場合はどのようなことに注意すればよいのでしょうか?
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報告書作成のために、日ごろから金銭の使徒や財産の取引の履歴などを正確に記録しておくようにしましょう。これまで本人のために何気なく行ってきたちょっとしたことであっても記録に残さなければいけないと意識しないとなかなか習慣化することができません。 本人の財産が不正に流用されることのないように家庭裁判所は後見人等に対して財産の管理状況、後見人として行った業務の記録などを定期的に求めてきます。 後見人等に就任した場合、裁判所に対して最低年に1回、本人の財産目録(収支表および銀行通帳のコピーを添付するなど厳密な記録)等を提出する必要があります。相続や不動産の売却など収支の状況が変った場合はその都度、報告が求められます。1年分を整理し報告書を作成するとなると膨大な資料が必要となります。記録をつけると同時に日ごろから領収書や公的機関から郵送されてきた通知などの整理整頓に努めましょう。 |
後見人等に対する報酬は申立人が支払うのでしょうか?報酬額はいくらくらいなのでしょうか?
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法定後見の場合には家庭裁判所に年に1回「報酬付与の審判」という申立を行い、家庭裁判所が報酬額を決定し、本人の財産から支払われる事になります。後見人等が勝手に報酬額を決めることはできません。親族が後見人等になっている場合は、請求を辞退して無報酬となる場合が多いようです。 横浜家庭裁判所のHPに「成年後見人等の報酬額のめやす」が掲載されていますので、参考になさってください。 後見人の業務のために支出した交通費やその他の費用については、実費が本人の財産より支払われますが、領収書等の提出が必要です。 ちなみに任意後見の場合には、報酬額や経費の支払いについて当事者の合意で自由に決めることが出来ます。 |
後見人等の仕事が終わるときはいつですか?
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以下の2つの場合になります。 1.本人が死亡したとき 2.本人の病気がよくなる等、判断能力が回復し後見開始審判が取り消された場合 高齢者施設への入所が必要であったことから成年後見制度を利用を開始し、施設へ入所できた場合であっても上記2つの場合に該当しない限りは成年後見人等の業務は続きます。 |
親族が遠方にしかおらず、また高齢でもあるので、本人が亡くなった後の手続きが心配です。どうしたらよいでしょうか?
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法定後見の業務は死亡したと同時に終了しますが、事前に当事務所と死後事務委任契約を結んでいただくことで、下記のような手続きを当事務所で代行いたします。 1.病院などの入院費、高齢者施設の利用料の支払い 2.葬儀・埋葬費用の支払い 3.区役所や年金事務所等への各種届出 4.家財道具の処分等 ただし、裁判所に死亡時点での財産目録を提出し終了報告や登記手続きを行った後に、実際の手続きを行うことになります。後見人等が管理していた預金通帳などをご親族様に引渡すことができるのも裁判所への報告の後(死亡から2か月程度)になります。 |
任意後見人はどのような人がなれますか?
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成人であればご自身が信頼のおける方であれば、どなたでも(家族など親族以外でも友人、知人でも大丈夫です)なることができます。ただし法律上ふさわしくない破産者はなることができません。 |
任意後見契約を結ぶにはどうしたらよいのでしょうか?
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任意後見契約に関する法律により、公証役場で公正証書を作成する必要があります。
お客様のご意向を伺い公正証書の文案について当事務所にて作成することや公証役場に同行することも可能です。 体力が衰え公証役場に行けない場合は、公証人に自宅や病院に出向いてもらうこともできます。 |
任意後見人はいつから仕事を始めるのですか?
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任意後見契約は判断能力が低下した場合に備えてお元気なうちに、あらかじめ結ばれるものです。任意後見人の仕事は本人の能力が低下してからになってから始まることになります。任意後見人になることを引き受けた人(「任意後見受任者」といいます。)が、家庭裁判所に対し本人の判断能力が低下し、任意後見事務を開始する必要が生じたので「任意後見監督人」を選任して欲しい旨の申立てをします。そして家庭裁判所が、任意後見人を監督する「任意後見監督人」を選任します。そのときから任意後見受任者は「任意後見人」として契約に定められた業務を開始することになります。 |
一度結んだ任意後見契約を取りやめたり、内容を変更することはできますか?
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契約を取りやめることはできます。任意後見監督人が選任される以前の場合は公証人の認証のある書面で行う必要があります。任意後見監督人が選任された後は家庭裁判所の許可が必要です。 内容の変更については代理権に関わるものは変更できませんので、あらためて契約する必要があります。報酬額などの変更も可能ですが、その場合も、公正証書でしなければなりません。 |
任意後見制度を利用することでのメリットは何ですか?
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お元気なうちにあらかじめ任意後見契約でしてほしいことを決めておけるので、判断能力が低下した場合でも、ご自身が希望する生活を送ることができます。
また法定後見のように今現在、判断能力の低下がなくても見守り契約や財産管理契約などご自身の希望に応じて手伝ってほしいことを同時に契約し、すぐに利用することが可能です。 自分の老い支度を自由にオーダーメイドできることから「任意後見」制度に注目が集まっています。 最高裁判所「成年後見関係事件の概況」(令和4年1月〜12月)によると、任意後見の利用者数は2,739人(前年は2,663人)であり、対前年比約2.9%の増加となっています。 |