司法書士活動日誌 あいおいくんがゆく!
2021年01月05日 [福井 圭介の活動日誌]
相続放棄について
本ページをご覧のみなさま
明けましておめでとうございます。
司法書士の福井です。
コロナ禍で迎えた新しい年。先行きが見えない毎日に不安になると思いますが、今年は丑年ということもあり「牛歩のごとく」、歩みは遅くとも一歩一歩確実に進んでいく前向きな気持ちだけは忘れずに過ごしていきたいですね。
今年もお客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
さて、本年はじめての投稿は、当所で多くのご相談を承っている「相続」について取り上げます。
相続というと一般的には親から財産を引き継ぐ、という財産の承継がイメージされやすく、実際にご相談の大半は不動産や預貯金などの財産の承継手続きに関するものではありますが、ここ数年、件数が増えてきていると感じるのが相続放棄に関するものです。
当ホームページでも相続放棄についてQ&A形式でご案内をしておりますが、相続放棄をするケースというのは、一般的に、財産を承継したくない、つまりプラスの財産よりマイナスの財産=負債が多い場合です。
もしくは、生前の被相続人との関係が疎遠であった場合に、被相続人の財産状況がわからない場合にも相続放棄の選択をされる方もいらっしゃいます。
相続放棄の手続き期間は、民法上、自己のために相続の開始があったことを知った時か3か月以内と定められていますが、被相続人の財産状況がわからない場合でこの3か月以内に調査が完了しないときのために、この3か月の期間を伸長させる手続きも定められています。ただ、当所で実際に相続放棄を承るケースでは、相続財産の状況が不明でも、それを調査することなく相続放棄を選択される方が少なくありません。
やはり、まったく疎遠であった親族から財産を承継するのが心情的に憚られるというのは私の個人的な感覚としても共感できるところではあります。
一方で、相続放棄という言葉が上記のような被相続人の負債が多いケースや関係性から相続を受けたくない場合に行う家庭裁判所における相続放棄手続きではなく使われるケースもよくあります。
例えば、父親が死亡し、母とその子(一人)が相続人である場合で、相続財産である不動産を母に取得させるとすると、一般的には母と子の遺産分割協議に基づいて母に不動産を相続させるということで、不動産を母名義とすることができますが、このとき、「子が相続を放棄した」という言い方をすることがあります。
しかし、これは民法上の相続放棄ではありません。
もし、このケースで子が法律上の相続放棄をしたとすると、それだけでは不動産を母に取得させることはできないこともありますので注意(※)が必要です。
※詳細はまた別の機会にご案内いたします。
相続放棄は、ケースによってすべき場合とそうでない場合があり、事案によっては、よく検討したうえで判断する必要があります。
もし、相続放棄についてご不明ご心配なことなどがありましたら、お気軽に当所までお問い合わせ、ご相談をいただけると幸いです。
明けましておめでとうございます。
司法書士の福井です。
コロナ禍で迎えた新しい年。先行きが見えない毎日に不安になると思いますが、今年は丑年ということもあり「牛歩のごとく」、歩みは遅くとも一歩一歩確実に進んでいく前向きな気持ちだけは忘れずに過ごしていきたいですね。
今年もお客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
さて、本年はじめての投稿は、当所で多くのご相談を承っている「相続」について取り上げます。
相続というと一般的には親から財産を引き継ぐ、という財産の承継がイメージされやすく、実際にご相談の大半は不動産や預貯金などの財産の承継手続きに関するものではありますが、ここ数年、件数が増えてきていると感じるのが相続放棄に関するものです。
当ホームページでも相続放棄についてQ&A形式でご案内をしておりますが、相続放棄をするケースというのは、一般的に、財産を承継したくない、つまりプラスの財産よりマイナスの財産=負債が多い場合です。
もしくは、生前の被相続人との関係が疎遠であった場合に、被相続人の財産状況がわからない場合にも相続放棄の選択をされる方もいらっしゃいます。
相続放棄の手続き期間は、民法上、自己のために相続の開始があったことを知った時か3か月以内と定められていますが、被相続人の財産状況がわからない場合でこの3か月以内に調査が完了しないときのために、この3か月の期間を伸長させる手続きも定められています。ただ、当所で実際に相続放棄を承るケースでは、相続財産の状況が不明でも、それを調査することなく相続放棄を選択される方が少なくありません。
やはり、まったく疎遠であった親族から財産を承継するのが心情的に憚られるというのは私の個人的な感覚としても共感できるところではあります。
一方で、相続放棄という言葉が上記のような被相続人の負債が多いケースや関係性から相続を受けたくない場合に行う家庭裁判所における相続放棄手続きではなく使われるケースもよくあります。
例えば、父親が死亡し、母とその子(一人)が相続人である場合で、相続財産である不動産を母に取得させるとすると、一般的には母と子の遺産分割協議に基づいて母に不動産を相続させるということで、不動産を母名義とすることができますが、このとき、「子が相続を放棄した」という言い方をすることがあります。
しかし、これは民法上の相続放棄ではありません。
もし、このケースで子が法律上の相続放棄をしたとすると、それだけでは不動産を母に取得させることはできないこともありますので注意(※)が必要です。
※詳細はまた別の機会にご案内いたします。
相続放棄は、ケースによってすべき場合とそうでない場合があり、事案によっては、よく検討したうえで判断する必要があります。
もし、相続放棄についてご不明ご心配なことなどがありましたら、お気軽に当所までお問い合わせ、ご相談をいただけると幸いです。