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くらしの法律情報
2023年04月03日 [くらしの法律情報]

この4月から何が変わる? 簡易化される相続に関する登記手続き

2023年4月
本ページをご覧のみなさま、司法書士の福井です。
来年4月1日より相続登記が義務化されますが、相続が発生し、相続人が複数で遺産分割協議がまとまる見通しが立たない場合、ひとまず法定相続分での相続登記をしておくことで、相続登記の申請義務違反の過料を免れることができます。

★当所の4月発行のニュースレターでも「亡くなった方の不動産名義のままになっていませんか?1年後に迫る!「相続登記」義務化とは」と題して、Q&Aでわかりやすく解説しています。あわせてご覧ください。

相続登記義務化に関連し、先月のコラムでは「遺贈の登記が簡易化される」ことをご紹介しましたが、その他にも相続登記を促進するために、この4月から簡易化される登記手続きがありますのでご紹介をいたします。



<事例>
法定相続分での相続登記手続きは、例えば、夫が亡くなり、妻と子どもが二人のケースでは、法定相続分は妻4分の2、子供がそれぞれ4分の1ずつで登記することとなります。
その後に、遺産分割協議がまとまり、妻が不動産を全部取得することとなったとすると、これまでは、不動産をすべて取得する妻を登記権利者、不動産を取得しない子供二人を登記義務者として、子供の持分各4分の1の合計4分の2を妻へ移転するという持分移転登記をする必要がありました。
仮に、この妻と子供二人の折り合いが悪く、遺産分割協議がようやく整ったという場合、子供二人は遺産分割協議書に署名と実印の押印をするだけで、登記手続きには協力をしない、という態度をとられかねません。
せっかく遺産分割協議が成立したにもかかわらず、不動産登記がスムーズにできないという事態もあり得ました。


上記事例の場合は、この4月から遺産分割協議で全ての不動産を取得することになった妻が、単独で、子供二人の持分4分の2を取得する登記をすることができるようになりました。これを相続登記の更正登記というのですが、更正登記を妻だけでできるという、これまでになかった登記手続き方法が認められることになりました。


従来の持分の移転登記方法で行う場合には法務局に収める登録免許税の計算は移転する持分の固定資産評価額に応じてすることになっていたため、不動産の評価額が高額な場合、相当額の登録免許税を負担しなければなりませんでした。

今回の事例で不動産全体の評価額が1億円とすると移転する半分の持分価格5000万円に対する登録免許税は0.4%=20万円ですが、更正登記の場合の登録免許税は不動産1個につき1000円ですので、登記費用の負担も大幅に軽減されることになります。

更正登記を単独で行えるようになったのは、かなり画期的であり相続登記の義務化に向けて、それに関連する登記手続きも柔軟に変更されていると評価できるでしょう。
ここにも国、法務省の所有者不明土地問題の解消に向けた取り組みの本気度が感じられます。

これからも相続登記推進に向けた様々な運用が開始されていくものと思われますが、私ども司法書士もさらに研鑽を重ねて、相続登記の推進に寄与していきたいと思います。

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