くらしの法律情報
2023年07月03日 [くらしの法律情報]
遺言書を書く時の注意点は?
ページをご覧のみなさま、司法書士の福井です。
今回はご質問の多い遺言書を書く時の注意点についてポイントをお伝えします。
遺言書を作成する方法として大きく分けて2つの方法があります。
自筆証書遺言と公正証書遺言です。
遺言書は簡単なようでいて難しいという側面もあります。
実はポイントを押さえてきちんと作っておかないと、せっかくの遺志がいかせなくなってしまうという場合もあります。
自分自身で作成する自筆証書遺言はその内容がしっかりと適法であるために注意すべき点がいくつかあります。
まず、全文を自書すること。ボールペンや筆ペンなど消えないもので書く必要があります。
そして、日付を記載して、最後に署名と押印があれば形式的な要件が満たされます。
もっとも一番大切なのは、その本文が法的に有効な内容であることです。
これまでのブログでもお知らせをしてきましたが、子供のいない夫婦で全ての財産を配偶者へ遺したいという場合には遺言書の作成が欠かせません。
本文における表現として「一切の財産を相続させる」という文言があれば、もれなく配偶者が遺言者の財産を相続することができます。とても簡易な表現ではありますが「一切の財産」という一文がとても大切になるのです。
公正証書遺言は公証人が作成に関与するため、その内容の法的効力に問題が生じることはほとんどありません。
しかし実は、最近ご相談を受けた事案で問題のある遺言がありました。
子供のいない夫婦で夫が妻へすべての財産を相続させたいという意向で作成されたものと思われる公正証書遺言がありました。
公正証書であっても上記のように「一切の財産」という文言があればもれなくすべての財産を妻が相続することができるのですが、その公正証書にはその文言がなく、財産については、「不動産」と「預貯金」と「一切の動産」という表現がされていました。
ところが、この夫は、遺言書を作成した後に金融機関で投資信託を購入しており、その投資信託を残したまま亡くなってしまいました。
実は、この投資信託は法律上の定義では「預貯金」にも「一切の動産」にも含まれません。したがって、せっかく公正証書で遺言を残したにもかかわらず、この投資信託だけは、妻がすべて取得することにはならず、夫のきょうだいと遺産分割協議をしなければ帰属を決められないということになってしまっているのです。
この公正証書遺言を作成した公証人が「一切の財産」という一文をなぜ入れなかったのかわかりませんが、それがために遺言書を作成した意味がなくなってしまったと言っても過言ではありません。
当所でも遺言の作成をお手伝いすることがありますが、遺言を法的に有効にするために必要な「一切の財産」という表現は必ず用いるようにアドバイスしているため、このような遺言書が無駄になってしまうという事態にはならないようにしております。
作成をお考えの際は、万全な内容で作成できるようにサポートをいたしますので、どうぞお気軽にご相談をいただけると幸いです。
今回はご質問の多い遺言書を書く時の注意点についてポイントをお伝えします。
遺言書を作成する方法として大きく分けて2つの方法があります。
自筆証書遺言と公正証書遺言です。
遺言書は簡単なようでいて難しいという側面もあります。
実はポイントを押さえてきちんと作っておかないと、せっかくの遺志がいかせなくなってしまうという場合もあります。
自筆証書遺言のポイント
まず、全文を自書すること。ボールペンや筆ペンなど消えないもので書く必要があります。
そして、日付を記載して、最後に署名と押印があれば形式的な要件が満たされます。
もっとも一番大切なのは、その本文が法的に有効な内容であることです。
これまでのブログでもお知らせをしてきましたが、子供のいない夫婦で全ての財産を配偶者へ遺したいという場合には遺言書の作成が欠かせません。
本文における表現として「一切の財産を相続させる」という文言があれば、もれなく配偶者が遺言者の財産を相続することができます。とても簡易な表現ではありますが「一切の財産」という一文がとても大切になるのです。
公正証書遺言なのに無効?!大切なポイントは?
しかし実は、最近ご相談を受けた事案で問題のある遺言がありました。
子供のいない夫婦で夫が妻へすべての財産を相続させたいという意向で作成されたものと思われる公正証書遺言がありました。
公正証書であっても上記のように「一切の財産」という文言があればもれなくすべての財産を妻が相続することができるのですが、その公正証書にはその文言がなく、財産については、「不動産」と「預貯金」と「一切の動産」という表現がされていました。
ところが、この夫は、遺言書を作成した後に金融機関で投資信託を購入しており、その投資信託を残したまま亡くなってしまいました。
実は、この投資信託は法律上の定義では「預貯金」にも「一切の動産」にも含まれません。したがって、せっかく公正証書で遺言を残したにもかかわらず、この投資信託だけは、妻がすべて取得することにはならず、夫のきょうだいと遺産分割協議をしなければ帰属を決められないということになってしまっているのです。
この公正証書遺言を作成した公証人が「一切の財産」という一文をなぜ入れなかったのかわかりませんが、それがために遺言書を作成した意味がなくなってしまったと言っても過言ではありません。
当所でも遺言の作成をお手伝いすることがありますが、遺言を法的に有効にするために必要な「一切の財産」という表現は必ず用いるようにアドバイスしているため、このような遺言書が無駄になってしまうという事態にはならないようにしております。
作成をお考えの際は、万全な内容で作成できるようにサポートをいたしますので、どうぞお気軽にご相談をいただけると幸いです。