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くらしの法律情報
2025年03月11日 [くらしの法律情報]

非課税不動産と所有者不明土地問題 ― 横浜市の課題

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みなさん、こんにちは。司法書士の福井です。
これまでのコラムにおいて、相続登記の義務化の背景には、国家的な課題である所有者不明土地問題の解消という目的があることを説明してきました。
しかし、司法書士として実務に携わる中で、ここ横浜市においては、固定資産税の課税の仕組み自体を根本的に見直す必要があると痛感しています。

非課税の私道が所有者不明土地を生む仕組み
以前のコラムで紹介した事例の一つに、すでに存在しなくなった会社が私道の共有者として名を連ねており、その私道を利用する分譲住宅の住民の方々からの依頼で、当該持分を現在の居住者の名義に変更する手続きを行ったケースがありました。この私道は横浜市内にあり、固定資産税が課せられていませんでした。
この会社は破産により解散していましたが、破産手続きの中で破産管財人がこの私道の存在を把握できていなかったため、会社名義のまま放置されていたのです。
なぜこのような事態が発生するのか。それは、固定資産税が非課税であると、納税通知書に物件情報が記載されず、第三者がその存在を容易に把握できないという問題があるためです。

他の市区町村との違いと横浜市の特殊事情
多くの市区町村では、「名寄帳(なよせちょう)」と呼ばれる、不動産所有者ごとの所有物件一覧を作成し、そこに非課税の土地も含めて記載する仕組みを導入しています。これにより、第三者が名寄帳を取得することで、非課税の私道の存在を確認できるようになっています。

しかし、横浜市の名寄帳には、非課税の土地が一切記載されません。
その結果、
・第三者どころか、所有者本人ですら非課税土地の所有状況を把握できない
・所有者が不明な場合、調査の手がかりが極めて少ない
という事態が発生しているのです。

所有者不明土地問題の解決に向けた取り組み
所有者本人であれば、法務局で登記済証(いわゆる権利証)や登記識別情報通知を確認することで、所有不動産を把握できます。
しかし、所有者不明土地問題では、所有者自体が不明なため、第三者の調査が不可欠となります。その際、名寄帳に非課税土地が記載されない横浜市では、そもそもの調査の手がかりがないのです。
横浜市には、夥しい数の非課税私道が存在します。これらをどのように所有者と紐づけるかを考えなければ、所有者不明土地問題はいつまで経っても解決しないというのが現状です。

土地課税台帳の活用と今後の提案
横浜市では、「土地課税台帳登録事項証明書」を取得すると、「所有者コード」という番号が納税義務者欄に記載されています。この所有者コードを活用し、横浜市における非課税物件を所有者ごとに紐づけ、名寄帳の整備を進めることができないか、と思案しています。
これは、一司法書士の力だけで解決できる問題ではなく、司法書士界や他の士業団体も連携し、横浜市に対して働きかけを行うべき課題だと考えています。私自身も、横浜市内の司法書士として、この問題の解決に微力ながら貢献できればと思っております。

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