2017年09月21日
2017.09.19「成年後見サポートネット」で講演いたしました
皆さま
こんにちは。司法書士の清水です。
私は(公社)成年後見センター・リーガルサポートから要請され「成年後見サポートネット」(福祉、法律などの専門職、社協、行政等から構成される横浜市独自の組織;成年後見業務のスキル向上のために事例検討や情報交換を定期的に行っている実務者会議)に法律分野のアドバイザーとして参加させていただいております。
先日、戸塚区役所で開催されたサポートネット会議で成年後見人の財産管理業務についてお話しをさせていただきました。
当事務所では2000年に成年後見制度が開始された当初より業務を受託し、様々なケースに対応してきました。
成年後見は家族や親族から弁護士や司法書士、社会福祉士など専門職後見人まで多様な立場の人が就任しています。最近では、家族や親族以外の一般市民も後見人となり、担い手不足を解消していく動きが全国的に高まっています。横浜市でも「市民後見人」の養成が開始されています。
後見人と一言では表せないくらい、どのような専門性や背景をもっているかによって対応方法や考え方も異なっています。
今回の講演では司法書士として私が培ってきた業務のノウハウだけではなく、後見人として大切にしていることをお伝えさせていただきました。
特に大切にしていることをあげるとするならば、以下の3つです。
(1)常に被後見人本人の利益を最優先する。
・本人の言葉を表面的に捉えたり、発した断片的な言葉から本人の本心を判断しない。
・本人の保護・支援の観点から長期的な視野で総合的に判断し、本人の意思の尊重とのバランスを考慮する。
(2)異業種とのネットワークの中で支援していく。
・一士業、一事務所で抱え込まず、判断に迷うときは介護や医療などの専門家や裁判所の意見を聞く。(外部の目が入ることで支援の客観性を担保できる)
・問題が起こったときに相談できる相手を地域の中に作っておく。
・法人会など企業の団体に参加したり、地域の活動に積極的に協力するなど関係づくりを怠らない。
(3)後見人としての重責を常に意識し、誠実に職務を遂行する。
・後見人には広範囲に及ぶ権限が与えられている。被後見人がこれまで築いてきた財産を託され、被後見人に代り人生の様々な選択を行うことの意味を忘れない。
・記録の徹底、複数担当者による情報共有を行い透明性を確保する。
自身および当事務所の後見業務について、原点に立ち返って考える貴重な機会となりました。
また、異業種の皆さんと良い支援を行っていくために、これからも地域における連携を強化し積極的に情報発信していこうと新たに決意した一日でした。