2019年04月01日
【皆さんの疑問に答えます!】相続に関するお客さまからの質問
本ページをご覧のみなさま
司法書士の福井です。
お客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
今回は「相続」についてお客さまから実際にご質問いただいたケースをもとにご紹介します。
遺産分割協議は書面に記録するべき?
◆ご相談内容
父親が亡くなり、法定相続人で遺産分割協議を始めようと思っています。ただ、相続人の一人が海外在留で遺産分割協議に参加できず、発言を正式に記録できません。このような場合、どうすればいいでしょうか?
◆ポイント
基本的に遺産分割協議の記録を書面で残すかどうかは自由ですし、書面にしなかったとしても法的に罰されることはありません。
ただし、遺産分割の内容が預金や不動産などを各相続人で分けるというものである場合には、実際の金融機関や法務局での手続きに際して書面による遺産分割協議書が必要となるため、書面として残しておかなければなりません。
また、後日の紛争の防止のためにも書面に残しておくべきでしょう。
なお、遺産分割協議自体は、具体的に相続人が対面で話し合わなければならないというものではなく、各相続人が遺産の分け方について合意した事実があれば成立しますので、遠隔地にいる相続人については、電話やメールなどの方法で連絡が取れていれば問題はないでしょうただし、「相続人の一人が海外にいるから」といって、その人を遺産分割協議から除外するわけにはいきません。
このケースだと、どのように遺産分割をするかについて、各相続人の意向を取りまとめるなかで、海外在住の方にも電話、メール、郵便等の方法でその内容を連絡し、合意が出来れば遺産分割協議としては成立しますが、実際に遺産分割協議書を作成するにあたっては、海外在住の方については、居住する国の領事館での証明書をとる手続きが必要になるなど、具体的な相続手続きにあたっては若干複雑な事務処理が必要となります。
なお、司法書士は、遺産分割協議の内容に預金や不動産が含まれている場合でその内容に基づく手続きの受託をする前提であれば、遺産分割協議書の作成を含めた相続手続き全般のサポートすることができます。