2019年04月24日
【皆さんの疑問に答えます!】相続02「相続人の一人が遺産を隠していた」
本ページをご覧のみなさま
司法書士の福井です。
お客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
今回は「相続 NO.2」についてです。
▷ NO.1記事「相続前に準備しておくべきこと」
遺産を隠すとペナルティを受ける?
遺産分割協議がトラブルに発展する原因の一つとして、一部の相続人による「遺産隠し」があります。「遺産隠し」とは、本来、被相続人の財産であるにも関わらず、何らかの方法で一部の相続人がその他の相続人に見つからないよう隠し、自分のものにしてしまうことです。
「遺産隠し」が発覚すると遺産分割が紛争化して遺産分割調停に、最悪の場合は裁判まで発展してしまうこともあります。さらには、相続税がかかる場合には、税務当局から虚偽申告の指摘を受け追徴課税されることにもつながりますから、遺産隠しには重いペナルティが与えられるものだと認識してください。
遺産分割の話し合いは、どう進めるべき?
遺産分割協議では、相続人全員が合意した事項を書面化することが必要です。もし、相続財産の意図的な隠蔽が分かったら、後で遺産分割協議の無効を訴えることができます。
この申し立てには時効がありません。ですから、相続人の中に遺産隠しが疑われる人物がいる場合には、「もし、財産を隠していたことがわかったら、遺産分割協議は無効なので、何年たっても、何十年たっても、すべて振り出しに戻すことができる」という事を伝えておきましょう。