2019年04月29日
【皆さんの疑問に答えます!】遺言02 「遺言書は簡単に開封していいの?」
本ページをご覧のみなさま
司法書士の福井です。
お客さまからご質問をいただくことの多い相続、遺言、成年後見など法律に関する話題ついて、本ブログでわかりやすく解説していきます。
新聞やテレビで聞いたことはあるけど意味はよくわからない、内容がわかりにくいことが多いと思いますので、法律に親しんでいただける入門書としてご活用いただければ嬉しいです。
今回は「遺言 NO.2」についてです。
▷ NO.1記事 「遺言の有無を確認する方法は?」
遺言書は簡単に開封していいの?
亡くなった人が書いた遺言書を家族が見つけたとします。そうすると、「自分のことが書かれていないか」「どんなことが書かれているのか」など、ついつい中身が気になって開けてしまうかもしれません。
しかし、たとえ自分の親の遺言書であっても勝手に開封してはいけません。
検認という決まった手続きを行わないと、5万円以下の過料というものを支払わなければならなくなる可能性があります。
■遺言書を開封するには「検認」が必要
「公正証書遺言書」ではない自筆の遺言書の保管者や、これを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後に家庭裁判所に対して、遺言書の「検認」申し立てをしなければなりません。
「検認」とは、相続人に対して遺言の存在や、その内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止する手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。
封印のある遺言書は、家庭裁判所での検認期日において相続人などの立会いのもと、開封しなければならないことになっています。勝手に開封して読んでしまったら、過料に科せられることがあるので要注意です。
なお、封印されていない自筆の遺言書の場合でも、遺言書自体が無効となるのではないので、同じく「検認」の手続きをとる必要がありますが、これを発見したもしくは保管している相続人は他の相続人との関係性によっては疑いの目を向けられることもあるので、なるべく発見もしくは保管していたときの状態を維持しておくことをおすすめします。