2019年09月19日
当事務所でのインターンシップ活動について
本ページをご覧のみなさま
司法書士の福井です。
当事務所では司法書士試験に合格した方の配属研修は毎年受け入れておりますが、開設以来初めて、現役大学生をインターンシップ(大学のカリキュラムの一環としての配属研修)として迎え入れ、実務研修の場を提供するということになりました。
実務研修の日数は計3日と決してボリュームのあるものではありませんでした。
しかし、ふだんはテキストや六法など机上での法律論を学んでいる大学生にとっては、司法書士の実務研修は大変意義のあるものだと考え、ふだん私たち司法書士が当然のように行っている業務をそのまま見せることが良いのではないかと思い、当事務所なりのカリキュラムを設定しました。
その意味では、当事務所が、司法書士業務にとどまらず住まい・くらしの様々な問題を気軽にご相談いただいているため比較的飛び込み(いわゆるアポイントメントなし)のご相談者が多いことが奏功し、初日から法律相談の現場に学生を立ち会わせることが出来ました。(もちろん、相談者の方の許可を得ています。)
ごく一般的な相続のご相談でしたが、学生にとっては生の相続事件はなかなか刺激的だったようです。
ご相談を終えた後は、具体的な解決方法を共に考え、法律とくに民法の適用場面を体感してもらうことが出来たと思います。
また、第2日目には公正証書遺言の作成現場に同行してもらい、公証役場を初体験してもらいました。
今から思うと、遺言を作成したいという高齢のご依頼者の方ですら「80年生きていて初めて公証役場に来ました」とおっしゃる方がいたことを考えると、若干二十歳を過ぎた学生を連れてきてしまって果たしてよかったのかという思いもよぎりましたが、後日学生から貰った礼状には、感謝の思いがつづられており、少し安心しました。
そして、最終日には不動産の売買の決済に同席をしてもらい、司法書士がもっともその資格の有意性を生かしてきた不動産決済の立会い業務を肌で感じてもらうこととしました。
当初は、最近の学生がどのような思考で、どのような態度でこの研修に臨んでくるのか、戸惑いと身構えがありましたが、実際に配属された学生はとても真面目で、将来についても真剣に見据えていると感じられ、この学生と同じ年の頃私がどのような生活態度だったかを振り返ると気恥ずかしさを覚えるほどでした。
学生からの礼状で当事務所が貴重な経験の場を提供できたということが述べられており嬉しく思いましたが、私たち受け入れ側も、ふだん触れ合うことの少ない現役大学生から貴重な経験値を得ることが出来た3日間だったと思います。