くらしの法律情報
2024年09月11日 [くらしの法律情報]
マンション管理組合の法人化・非法人化について
本ページをご覧のみなさま、司法書士の福井です。
マンション管理組合の方から相談を受ける機会が多い当事務所。以前のブログでは、よくあるご相談内容をご紹介いたしました。
今回はマンションの管理組合の法人化・非法人化について触れてみたいと思います。
マンション管理において特に問題が生じやすいのは、管理費の滞納です。
通常、管理費は入居者の口座から自動引き落としされますが、事情によっては引き落としが遅れ、未納状態が続く場合があります。このような場合、出納管理を行っている管理組合が滞納者からの徴収方法を検討し、対応する必要があります。
管理費の滞納が続く場合、法的手続きによる回収が必要となることがあります。
この際、管理組合が法人化されているかどうかで対応が異なります。
◆法人化されている場合:法人名義での手続きが可能となり、理事長個人の負担が軽減されます。
◆法人化されていない場合:理事長個人が管理組合を代表して行うため、理事長の負担が大きくなりがちです。
その際、管理組合が法人化されていなかったため、理事全員の名前で共有している形式で所有権の移転登記をする必要がありました。個人の名前が登記で公示され、しかもその後に理事が交替するたびに、原則として登記名義の変更をが伴い、非常に不便でした。
管理組合が法人化されていた場合は、上記のような事例でも管理組合として法人名義での登記が可能となり、理事の個人名での公示が不要になります。また、理事交替時の不動産登記手続きも不要となるため、管理組合の法人化は大きなメリットを持っています。
一方で、管理組合を法人化すると、管理組合として法人登記が必要となり、理事長が交替するたびに法人登記の変更が必要です。この手続きには費用(一般的に約5万円程度)がかかります。
不動産登記の際には、登録免許税が発生し、これは不動産の固定資産評価額の2%となるため、かなり高額になります。これに対し、法人登記の変更は比較的少額な費用で済むため、総合的に見ても管理組合の法人化はコスト面でも有利と言えるでしょう。
例えば、管理費・修繕積立金の滞納、マンションの規約違反による管理不全、入居者の死亡による相続未処理の問題など様々なことが想定されます。
そうした事案が発生する可能性を考慮すると、管理組合の法人化はひとつの選択肢です。特に、理事長や理事の個人名が公示されない点も重要です。
マンション管理組合を持続可能な組織にするためにも法人化を検討する価値は大いにあるかと思います。
とはいえ、管理組合の状況や抱えている問題も千差万別です。それぞれの皆さんに合った組織運営の在り方について、アドバイスさせていただきます。お気軽にご相談ください。
マンション管理組合の方から相談を受ける機会が多い当事務所。以前のブログでは、よくあるご相談内容をご紹介いたしました。
今回はマンションの管理組合の法人化・非法人化について触れてみたいと思います。
マンション管理組合の役割とは?
マンションの規模に関係なく、多様な入居者が住んでいる中で、マンションの維持・管理を担う管理組合は欠かせない存在です。管理組合は、入居者から選ばれた役員によって運営され、定期的に協議を行い、マンションの管理方針を決定します。管理費の滞納問題とその対応
マンション管理において特に問題が生じやすいのは、管理費の滞納です。
通常、管理費は入居者の口座から自動引き落としされますが、事情によっては引き落としが遅れ、未納状態が続く場合があります。このような場合、出納管理を行っている管理組合が滞納者からの徴収方法を検討し、対応する必要があります。
法的回収手続きと管理組合の法人化
管理費の滞納が続く場合、法的手続きによる回収が必要となることがあります。
この際、管理組合が法人化されているかどうかで対応が異なります。
◆法人化されている場合:法人名義での手続きが可能となり、理事長個人の負担が軽減されます。
◆法人化されていない場合:理事長個人が管理組合を代表して行うため、理事長の負担が大きくなりがちです。
当事務所での事例
過去に当事務所で担当した事案で、入居者に問題のあるマンションの一室を管理組合がひとまず買い取るというものがありました。その際、管理組合が法人化されていなかったため、理事全員の名前で共有している形式で所有権の移転登記をする必要がありました。個人の名前が登記で公示され、しかもその後に理事が交替するたびに、原則として登記名義の変更をが伴い、非常に不便でした。
管理組合の法人化のメリット
管理組合が法人化されていた場合は、上記のような事例でも管理組合として法人名義での登記が可能となり、理事の個人名での公示が不要になります。また、理事交替時の不動産登記手続きも不要となるため、管理組合の法人化は大きなメリットを持っています。
一方で、管理組合を法人化すると、管理組合として法人登記が必要となり、理事長が交替するたびに法人登記の変更が必要です。この手続きには費用(一般的に約5万円程度)がかかります。
不動産登記の際には、登録免許税が発生し、これは不動産の固定資産評価額の2%となるため、かなり高額になります。これに対し、法人登記の変更は比較的少額な費用で済むため、総合的に見ても管理組合の法人化はコスト面でも有利と言えるでしょう。
管理組合の法人化は将来を見据えた選択
事例で紹介したような管理組合が入居者の物件名義を引き取る必要がない場合でも、将来的には、様々な理由で管理組合が入居者の物件に関与せざるを得ないケースも出てくる可能性があります。例えば、管理費・修繕積立金の滞納、マンションの規約違反による管理不全、入居者の死亡による相続未処理の問題など様々なことが想定されます。
そうした事案が発生する可能性を考慮すると、管理組合の法人化はひとつの選択肢です。特に、理事長や理事の個人名が公示されない点も重要です。
マンション管理組合を持続可能な組織にするためにも法人化を検討する価値は大いにあるかと思います。
とはいえ、管理組合の状況や抱えている問題も千差万別です。それぞれの皆さんに合った組織運営の在り方について、アドバイスさせていただきます。お気軽にご相談ください。