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くらしの法律情報
2024年11月08日 [くらしの法律情報]

親名義の建物リフォームの際の落とし穴

リフォーム
本ページをご覧のみなさま、司法書士の福井です。
親名義の建物リフォームの際の落とし穴と題して、気をつけていただきたいことをお話します。
親が所有する建物をリフォームする際、子が金融機関から融資を受けてリフォーム資金を拠出することはよくあることです。
このとき、建物の名義をそのままにしておくと、親に贈与税がかかる可能性があるため、注意が必要です。

贈与税がかかる理由と対処方法
リフォームにより建物の価値が増加すると、その増加した価値を無償で親が享受しているとみなされ、贈与税が課される場合があります。
親が贈与税を負担しないためには、リフォームによって増加した価値分に相当する建物の権利を、実際にリフォーム資金を出捐した子に移転する必要があります。以下の例で具体的に説明します。

必要な手続き例
価値が1000万円の親名義の建物に子が2000万円を出捐してリフォームした場合、建物の価値は3000万円となります。
親名義のままだと、増加した2000万円の価値を無償で享受したとみなされ、贈与税の対象になります。
そこで、3000万円の建物のうち、2000万円分を子が取得するように名義変更(親の持分を1/3、子の持分を2/3)することで、贈与税を回避することができます。

名義変更の具体的な方法
名義変更には様々な見解がありますが、実務では親から子へ「代物弁済」による持分移転を登記する方法が一般的です。
「代物弁済」とは、債務者が金銭に代えて物で弁済を行うことを指します。この事例では、親が子に増加した価値分の費用を支払う義務(費用償還債務)を負っており、その代わりに建物の持分を子に移転することで精算が完了します。

通常の売買や贈与に当てはまらない名義変更方法は他にもあります。
今後のコラムで、別の事例を交えてご紹介したいと思います。
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